2025年6月16日月曜日

SimpleFOC用モータドライバを実装してみた

 というわけで先日届いた基板用の部品がある程度届いたので実装してみた。けっこう大変だった。

部品はほぼアリエクで手配した。一部前に秋月で購入していた部品を使用してる。
MT6701は基板に実装されたやつに磁石まで付属してるほうが安かったので剥がして使う予定。(144円だった)

とりあえず表面はこんな感じ。TMC6300周りにちょっと詰め込みすぎて順番を考えないとコテが入らないという問題が。斜めカットC2を使用したけど結構きれいにハンダできた気がする。
STM32とINA240は足があるので足の間がショートするとちょっと面倒。新しいハンダをはんだごてに付けながら少しずつ拭っていくといい感じにハンダできた。ハンダ吸い取り線を使うとレジストに傷がついたりするので今回はハンダゴテだけで頑張った。

デバッグコネクタ(SHコネクタの3Pin)がまだ届いてないので書き込みができないんだけども、とりあえず電源を入れて3.3Vが生成されていることを確認できた。INA240A2からも1.68Vぐらい出ているのでとりあえず0Aで真ん中ぐらいで出力ができていることを確認できた。

ちなみにTPS63070は2.8Vぐらい入れないと3.3Vが生成されなかった。一旦起動したら下げても大丈夫なんだけどやはりアリエクから購入したICは怪しい気がする。(STM32F103もなんかハンダコーティングされてたから使用済み品?)

まぁとりあえず色々と安く手に入っているので動けばいいのだけれども…

モータドライバとモータの間にいれるアダプタも設計中。スペーサ兼マウント的なやつ。回転方向に力がかかったりするとアレなので穴径をギリギリにしなと滑りそう。

はやくデバッグコネクタ届かないかなぁ

2025年6月15日日曜日

SimpleFOC用にモータドライバ基板を起こしてみた

 この前BluepillとSimpleFOC miniでジンバル用モータを動かすことができたんだけど、電流センサをつけないとFOC制御とは呼べないと思うので電流センサも内蔵させた基板を起こしてみることに。

SimpleFOC miniも8V以上ってことでもうちょっと低い電圧から動かしたいし。

よくある、モータの後ろにそのまま取り付けできるような、角度センサも内蔵したモータドライバ基板を作ってみたかったし。

とりあえずKiCadの最新版を入れて、足りないフットプリントはRSのライブラリを使用してみた。

部品構成としてはマイコンはBluepillと同じSTM32F103CBT6、モータドライバはより低電圧から動作できるようにTMC6300、角度センサはこの前試したMT6701、電流センサはINA240にしてみた。
電流センサは最初ACS712がSimpleFOCフォーラムでも3.3Vでも見れる範囲は小さくなるけど一応動くということで手軽でいいなと思っていたんだけど、ホールエフェクト電流センサの近くに磁気エンコーダはまずいかな?と思ってシャント抵抗にした。
インライン電流センスにしたのでINA180でも良かったかもしれないけどINA240のTSSOP-8なら下にパターン通せるし。

電源回路はTMC6300の動作範囲にできるだけ合わせたかったのでTPS63070にしてみた。ESP32でブラシ付きモータ動かしてたときみたいに昇降圧にしておけば電圧下がってもリセットしにくいかなと。モータのトルクがどのぐらい出せるかわからないけど乾電池動作も可能かも。

ついでにこのモータドライバを複数枚使いたいときにCAN使えたらいいなと思ってCANトランシーバも乗っけてみてたり。最初はSimpleFOCのモニタとかをそのまま通せるようにRS-485にしようと思って設計していたんだけど、STM32F103にはRS-485 ModeがなかったのでGPIOでやるのも送信完了の処理が面倒そうだったのでやめた。CANトランシーバも思ったよりやすかったし。

モータよりほんの少しだけ小さい直径34mmに詰め込んでみた。
基板設計よくわからない。
丸田先生のCompact SimpleFOC Controller Boardのインスパイア的な感じかな…
CAD画面のスクショだと見づらいので3Dモードでのスクショはこんな感じ。シャント抵抗の3Dモデルはテキトー。本当は12mΩぐらい。2層基板に詰め込んでみた。はたして動くのだろうか

電子部品は結構アリエクでポチった。アリエクで大丈夫なのかな…
コネクタはJSTのフットプリントなんだけど互換の端子で行けるかな?互換の端子のほうが厚みはある気がする。
6PWMでコンプリメンタリタイマを使用するとシリアルブートローダのピンが使えなくなるのでBOOT0はGNDに直結。ライタはとりあえずBlackMagicProbeを使う予定。SWDのコネクタはRaspberry Pi Picoのパクリ。(小さいし)

ということでJLCPCBで発注してみた。
KiCADのFabrication Toolkitっていうプラグインを入れてZIPファイルを生成したらJLCPCBのサイトaにドラッグアンドドロップするだけだった。
ガーバビューワーも見やすい。とりあえず5枚で2ドル、送料がOCS NESで1ドルキャンペーンにPayPal手数料0.5ドルで合計530円ぐらいだった。
6/8に発注したら6/11には発送されていて、13日には関空に到着していたっぽい。そして今日ヤマトでネコポスとして到着。トラッキングは最初はOCSのサイトで確認できて、国内につくと同じトラッキングがヤマトで確認できるようになっていた。
あとは実装するだけ。TMC6300の真ん中のパッドが手ハンダできるようにスルーホールにしておけばよかったかな。ちょっと気合でハンダしないといけないかも。ホットプレートも安いの出てるし購入検討しようかな…
電子部品のほうがまだ全部揃ってないのでこんな感じで実装の表を作って待機かな。

2025年6月14日土曜日

アナログパネルメータをRaspberry Pi Picoで動かしてみた。

 アナログメータってかっこいいよね。ということでアリエクでアナログメータが安く売っていたので試しに買ってみた。マイコン直結で動かせたたら面白いので今回は電圧用の3V品にしてみた。

91C4
91C4っていうメータ。
やすい送料を選んでみたので送料込みで227円だった。3週間ぐらいかかった。UM~DOのトラッキングは最後まで追跡できないっぽいので追跡できなくなってから1週間後ぐらいに届いた感じ。
ネジも付属していた。
91C4
裏面は固定用と思われるネジが下に出ていて、端子が真ん中あたりから出てる感じ。この向きだと右側がGNDで左側が入力っぽい。
全部M3だった。

91C4
自立するぐらい奥行きは長い。

3V仕様なので3.3VのマイコンのPWMで動かせるんじゃないかということでRaspberry Pi Picoに接続して試してみた。
#define pwmPin 15  // PWM 出力に使う GPIO ピン

void setup() {
  Serial.begin(115200);
  while (!Serial);
  pinMode(pwmPin, OUTPUT);
  analogWriteFreq(20000);       // PWM周波数を20kHzに設定
  analogWriteResolution(8);     // 8bit分解能(0〜255)

  Serial.println("Set PWM");
}

void loop() {
  if (Serial.available()) {
    int duty = Serial.parseInt();

    if (duty < 0) duty = 0;
    if (duty > 255) duty = 255;

    analogWrite(pwmPin, duty);

    Serial.print("PWM:");
    Serial.println(duty);
  }
}
メータのプラスをGPIO15に繋いで、GNDはGNDに接続してシリアルコンソールから数字を送ると針が動くやつ。earlephilhower版のArduino環境。
マイコンは3.3Vなのでいきなり255は振り切ってしまうので振り切らないギリギリをちょっとずつ試したところ、3Vメーターだと245ぐらいが最大だった。
次に自動でスイープしてみた。
#define pwmPin 15

void setup() {
  analogWriteFreq(20000);          // 20kHzに設定
  analogWriteResolution(8);        // 8bit分解能 (0~255)
  pinMode(pwmPin, OUTPUT);
}

void loop() {
  for (int duty = 0; duty <= 245; duty++) {
    analogWrite(pwmPin, duty);
    delay(20);
  }

  for (int duty = 245; duty >= 0; duty--) {
    analogWrite(pwmPin, duty);
    delay(20);
  }
}

最大と最小付近で少し針が触れる感じが良い。

やっぱりアナログメータ味があるね。自動車用のメータとかだとステッピングモータ系になっていたりするので針がキビキビ動いたりするけど、こちらはかなり振れる。

昔テストしてみたArduinoでOBD2のデータ取るやつとか使うとレスポンスが悪いアナログメータが作れそう。
音声をADCで入力してメーターに出力するという無駄な自作VUメータとかも作れるかも。

2025年6月7日土曜日

ジンバル用ブラシレスモータをSimpleFOCで動かしてみた

 前回2804 220KVモータMT6701を取り付けて角度を検出できるようになったので、次はDRV8313を使用して回してみた。FETとゲートドライバ内蔵の3相モータドライバICでこのクラスのモータなら簡単に回すことが可能とか。同志から借りてきた。
これでArduinoからSimpleFOCライブラリを使って簡単にベクトル制御が試せるっぽい。

DRV8313は電源とPWM3つとENさえ繋げばモータが回せる構成。今回借りてきたのはSimpleFOCMiniという評価ボード。

マイコンにはBluepillを使用してみた。STM32F103はモータを回すためのタイマとかも充実しているような感じっぽいけど、今回は3PWMなのであんまり関係ないかも。6PWMでコンプリメンタリタイマを使ったり、同期でローサイドの電流測ったりするなら良いかもしれない。

DRV8313が最低8Vっぽいので昇圧回路を使用した。あとBluepillのUSB CDCだとリセット直後のログが見づらいのでSerial Bootloader経由で書き込むようにしておいた。これなら書き込んだあとにそのままシリアルのログが見れる。

とりあえず電流センサは搭載していないのでMT6701と3PWMでの角度制御を試してみた。
#include "Arduino.h"
#include "SPI.h"
#include "SimpleFOC.h"
#include "SimpleFOCDrivers.h"
#include "encoders/MT6701/MagneticSensorMT6701SSI.h"

#define CSN1 PA15
#define CLK1 PB3
#define MISO1 PB4
#define MOSI1 PB5

SPIClass SPI_1(MOSI1, MISO1, CLK1);
MagneticSensorMT6701SSI sensor(CSN1);
BLDCMotor motor = BLDCMotor(7);
BLDCDriver3PWM driver = BLDCDriver3PWM(PB6, PB7, PB8, PB5);

float target_angle = 0;
Commander command = Commander(Serial);
void doTarget(char* cmd) { command.scalar(&target_angle, cmd); }

void setup() {

  Serial.begin(115200);
  SimpleFOCDebug::enable(&Serial);

  sensor.init(&SPI_1);
  motor.linkSensor(&sensor);
  driver.voltage_power_supply = 8;
  driver.init();
  motor.linkDriver(&driver);
  motor.foc_modulation = FOCModulationType::SpaceVectorPWM;
  motor.controller = MotionControlType::angle;
  motor.PID_velocity.P = 0.2f;
  motor.PID_velocity.I = 20;
  motor.voltage_limit = 8;
  motor.LPF_velocity.Tf = 0.01f;
  motor.P_angle.P = 20;
  motor.velocity_limit = 40;
  motor.useMonitoring(Serial);
  motor.init();
  motor.initFOC();

  command.add('T', doTarget, "target angle");

  Serial.println(F("Motor ready."));
  Serial.println(F("Set the target angle using serial terminal:"));
  _delay(1000);
}

void loop() {
  motor.loopFOC();
  motor.move(target_angle);
  command.run();
}
SimpleFOC付属のサンプルスケッチにSimpleFOCDriverのMT6701の設定を追加しただけ。
これを書き込むとモータがゆっくり正転逆転してセンサのキャリブレーションを行って、シリアルコンソールからT10とか値を入力すると角度制御で無事動かすことができた。

パラメータとかいじってないのに普通に動くのでこれは楽…
昇圧回路だと電源が足りないのか、角度固定中に手で無理やり動かすと唸りを上げているのでちゃんとした電源にして試さないと…

とりあえずこれでモータの動作確認もできたので次は電流センサを追加してベクトル制御に対応させたい。

2025年6月2日月曜日

ジンバル用モータに磁気エンコーダ基板を取り付けてみた。

 この前購入した2804 220KV用にSSI接続化したMT6701センサ基板を取り付けられるような3Dプリント部品が出来上がってきたので早速組み立ててみた。

今回はM2x6で全部組み立てられる設計。センサ側は穴を少し小さめにしておいたので無理やりM2ネジをねじ込んでねじ切っておいた。バリが出たのでカッターで少し面取り。

モータを取り付けてみると固定穴はいい感じの寸法かも。使わないコネクタを避けた部分が少しズレてた。あたっていないのでまぁOK。
最後にSSI化したMT6701のセンサ基板を装着。PWM/Anarogの部分にはCSが来ている。

モータとMT6701が合体できたのでセンサの動作確認。センサと磁石のギャップは1.3mmぐらいに設定してある。
前にBluepillで試したときのスケッチでもいいんだけど、SimpleFOCで動かしたかったのでSimpleFOCのDriverライブラリを使用してMT6701の動作確認。(結局磁石の距離がいい感じなのかを調べるために使ったんだけどね…)
#include <SimpleFOC.h>
#include <SimpleFOCDrivers.h>
#include <encoders/mt6701/MagneticSensorMT6701SSI.h>

SPIClass SPI_1(PB5, PB4, PB3);  // MOSI, MISO, SCK
#define MT6701_CS PA15 //CS

MagneticSensorMT6701SSI sensor = MagneticSensorMT6701SSI(MT6701_CS);

void setup() {
  Serial.begin(115200);
  sensor.init(&SPI_1);
}

void loop() {
  sensor.update();
  float angle = sensor.getSensorAngle();
  float degrees = angle * (360.0 / (2 * PI));
  Serial.print("Angle (rad): ");
  Serial.print(angle, 4);
  Serial.print(", (deg): ");
  Serial.println(degrees, 2);
  delay(200);
}

このライブラリはSimpleFOCをMT6701のようないろんな磁気エンコーダに対応できるようなライブラリで、MT6701にも対応している。このライブラリを使用して角度を表示できるようなスケッチでまずはセンサの動作確認をしてみた。MOSIは未使用なので、基板のシルクでいうとSDAにMISOを、SCLにSCKを、PWM/AnalogピンはパターンカットしてCSに接続しているのでCSに接続、VCCは3.3Vを使用。

SimpleFOCでは角度はラジアンで扱っているのでわかりやすいように度になおして表示してみた。ちゃんと一周で360度になるので大丈夫そう。

とりあえずセンサの動作確認ができたので次回はモータドライバを接続してSimpleFOCで回せるようにしてみたい。