2024年8月24日土曜日

KTV-FSPCIEをWindows 10でTS抜き改造

 KTV-FSUSB2のK0806を使っているんだけども、分波器に繋いで電波強度の対策をしても一部映らないチャンネルが有ったので、チューナーICとしてMXL136が載ってるKTV-FSPCIEを見つけたのでポチってみた。K0806は中期型でチューナーがTDA18211HD/C2なんだけど、後期型のMXL136のチューナーが感度いいという噂があったので試してみたかったし。あとはKTV-FSPCIEのほうが外付けで使うにしてもアンテナ端子が直結なので感度が良さそうというのもある。ちなみにPCIEと言いつつ中身はUSB接続なので外付けで使う前提で購入。

今回入手したKTV-FSPCIEはシリアルナンバーがK1107で基板にISDBT-6005_V1Bというシルク印刷があるものだった。もはや10年以上も前の製品だけどもPCで地デジを見るならコスパいいと思う。純正状態ではWindows 7までしか対応していないので(Windows 8でも動くかもしれないけど)改造前提だけれども、TS抜き改造すればWindows 11でも使える優れ物。

K1102以降のKTV-FSPCIEはR19の抵抗(1005サイズ0Ω)を外してEEPROMを書き込み可にしたらあとはPC上の作業だけで完結できるらしい。チューナーがMaxLinear製に変更になった、いわゆる"MX版"と呼ばれる個体からはサルベージ配線が要らなくなってるっぽい。

ということでとりあえずR19の抵抗を取り外す。ハンダがない人はカッターとかで破壊したりするようだけど、今回は書き込み禁止に戻せるようにハンダで取り外した。

ソフトウェアの方は「FSPCIE-K1102のファーム書き換えツール2」を使用させてもらった。
(ダウンロードオプションの「オリジナルのファイルネームで保存する。」のチェックを外さないとダウンロードできなかったので注意かも。)

Windows 10とかWindows 11だとドライバの署名の問題ではそのままドライバが使えないんだけど、WinUSB1.9ベースのドライバのようなのでWinUSBをZadig経由でインストールしてみた。

まずはインストール用ファイルの準備。

[device]
Description = "ISDB-T DTV Tuner KTV-FSPCIE"
VID = 0x0511
PID = 0x0238
GUID = "{b35924d6-3e09-4a9e-9782-5524a4b79ba4}"

これをコピペしてメモ帳とかに貼り付けてfspcie.cfgで保存する。

[device]
Description = "EEPROM Writer (FSUSB2N)"
VID = 0xEB1A
PID = 0x2874
GUID = "{b35924d6-3e09-4a9e-9782-5524a4b79ba4}"

こちらもコピペして上と別ファイルでe2pwriter.cfgで保存しておく。2つともファイル名は何でも良い。

この2つのファイルを準備したら、KTV-FSPCIEをUSB接続している場合はUSBを抜いておく。

Zadigをダウンロードしてきて実行する。

左上にある「Device」をクリックし、「Load Preset Device」を開く。

そしたら先程作成したfspcie.cfgを読み込んで、WinUSBになっていることを確認して「Install Driver」ボタンをクリック。少し時間がかかる。

終わったら一旦Zadigを閉じてもう一度さっきの手順で今度はe2pwriter.cfgを読み込んでDriver Installをする。このときこちらの場合もWinUSBになっていることを確認すること。

2つともドライバーがインストールされたらKTV-FSPCIEをUSB接続し、ファーム書き換えツール2のセットの中に入っている「fwtool.exe」を実行する。ちなみにZadigでドライバをインストールするとデバイスマネージャー上では「ユニバーサル シリアル バス デバイス」の分類になる。

Zadigでドライバインストールが成功しているとこんな感じでデバイスが表示されるのでリストからデバイスを選択してから「開く」をクリック。
デバイスを開くと"妨害有"になっていたのでやっぱりこの個体は未改造だった。
ということで書き換えを進める。
「外ROM無効化」をクリック。
Errorが出ずに完了したらfwtoolを一旦閉じる。KTV-FSPCIEもUSBの接続を一旦取り外す。
取り外して10秒待ったらもう一度USBに接続する。するとEEPROM Writerとして認識するはず。ドライバは上の手順でZadigでインストールしてるのでそのまま認識するはず。
fwtoolをもう一度開く。
するとさっきとはVIDとPIDが違うデバイスで認識できてるはず。このデバイスをクリックして選択し、開くをクリック。
CRC32が0400E2AEになってることを確認して、「File書出[0]=26h」ボタンを押す。そしたらファイルの保存画面が出るので「eeprom.bin」として保存する。

保存したeeprom.binを書き換えツール2のKTV-FSUSB2.patが入ってるところに移動して、
Quick Beを起動する。
「ファイル」→「パッチファイル実行」を開いて、パッチファイルのところで参照ボタンをおしてKTV-FSUSB2.patを指定して実行する。パッチを適応したeeprom.binをfwtoolと同じところにおいて(書き換えツール2を使えば自動的に同じところにあるはず)fwtoolを起動。
先ほどと同じようにデバイスを選択して開いたら、「Original書込」ボタンが押せるようになってるはずなのでこのボタンを押す。
意外と時間がかかるので待つ。このときにUSB抜き差しとかするとKTV-FSPCIEが壊れたりするので注意。
書き込みが完了したら次は「Patch書込」ボタンを押す。
書き込みが無事成功したらfwtoolを閉じて、一旦KTV-FSPCIEをUSBから取り外す。

次はKTV-FSUSB2Nの手順でドライバをインストールする。PIDの部分も"PID = 0x0029"のままでOK。というのもKTV-FSUSB2.patの中身を見てみると、このパッチを当てたファームウェアを書き込むとPIDがKTV-FSUSB2 K0905と同じになるっぽい。(0000006A、0000006Bの箇所)

あとはTvTestとBonDriverで視聴できるようになってるはず。Windows 11対応になってts抜きもできる様になってる。もはやこの改造はTS抜きするためだけじゃなくて新しいPCとかLinuxで使う場合にもだいぶ有効な手段かも。ツールも軽いし。

例によってこのチューナーは、マンションやアパートではよくあるBSアンテナと混波されてる場合は分波器を間に挟んだほうが電波強度が高まるっぽいので装着することをおすすめする。

ついでにKTV-FSUSB2N化できてしまったので、このままChinachuが入ったラズパイのKTV-FSUSB2Nと差し替えて使用できそう。

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