2019年8月15日木曜日

iPadの液晶で自作液晶を作ってみた

Raspberry Piで使えるような小型なモニタがほしかったけど、モバイルディスプレイ意外と高いし、Raspberry Pi用として売られているLCDって安いやつは結構解像度が低い。
ということで自作液晶の部品を探していたらiPadのRetinaディスプレイを使えば結構安価で作れるんじゃないかということで作ってみた。解像度もフルHDよりあるし。

iPadのRetinaディスプレイを使った自作液晶は何年か前に結構話題になっていたけど、ディスプレイポートしか使えないということが微妙だった。というのもiPadのLCD自体がeDP対応なのでバックライト駆動用回路さえあればコネクタを変換してそのままディスプレイポートに繋がるというのを誰かが発見したところから始まっていた気がする…
まぁHDMI→ディスプレイポート変換アダプタを利用すればHDMIでも行けるっぽかったんだけど、結局そのケーブルも結構高くて…

そして数年ぶりに変換基板を探してみたらHDMI対応になってるし、iPadのLCDはむしろジャンクのiPadから外せば安いじゃんというぐらいにiPadの価格が下がっていた。


というわけでジャンクのiPad 3を入手。
こちらはガラス割れ&アクティベーションロックでアクティベートできないという代物。
ガラスが割れているだけでLCDはちゃんと写っているように見えたのでオクで購入した。
送料含めて1100円ぐらいだったので、修理用のLCDが4500円ぐらいするのと比べるとだいぶ安い。


LCDコントローラはVS-RTD09703-V1というやつを購入した。有名なのはAbuseMarkの変換基板みたいだけど、こちらは低価格な上に入力ポートが2ポート(HDMI+miniHDMI)だったりeDP対応の液晶コントロールIC搭載なので、OSDが使えたりするらしいので。
HDMI+miniDPの基板もあったけどHDMIのほうが使いやすそうなのでこちらにした。
どちらもRealtekのRTD2556というコントロールICを使っていて、Retinaの解像度2048×1536(QXGA)で使用できるらしい。
Aliexpressで3500円ぐらいだった。
しかしOSD用のスイッチ基板とコントロール基板のケーブル、どっちもピン数あってないし。まぁコントロール基板は赤外線リモコンにも対応してるモデルもあるっぽいのでその兼ね合いでピン数が多いのかね。


早速ジャンクのiPad 3を分解。
ドライヤーで温めながら薄いヘラを突っ込んで一周すれば結構かんたんに開く。今回はヘラがなかったのでナイフで代用したけどナイフが進まなくなったら温めればサクッと進むので温めるの重要かも。突っ込みすぎると液晶やってしまうので注意。
開いたらもう一度液晶の動作確認もしておく。
何種類か品番あるみたいだけど、ついていたのはLP097QX1-SPA2だった。


このiPadはガラス割れジャンクなんだけど、多分そのときの衝撃で液晶が1mmずれてたw
液晶固定用のタブもちょっと曲がってるし、ネジは真ん中に来てなかった…
なんか起動したときに右側に黒い線あるなーと思ったら液晶がずれていたわけね…

まぁ液晶パネルの表示自体は問題ないので気を取り直してLCDコントローラ基板に接続してみる。今回購入したコントロール基板は液晶パネルとの間にバックライト制御回路(昇圧回路)が乗っている基板(RTD-IPAD3 V02)を接続するようになっている。購入ページの説明には長時間使う場合は熱を分散させろと書いてあった。
ICにはY58Mと刻印があったのでLED用昇圧ICのYB1518っぽい。


フレキケーブルの差し込み方向に注意かも。あとLCD側のフレキはちょっと固めなので白い線が隠れるまで入れること。
写真だと液晶の裏面に小基板つけちゃってるけどここは絶縁したほうが良さげ。
ちなみにこの小基板はiPad 5用の液晶バージョンもあるみたい(LCD側コネクタが違う)
小基板にすることにより汎用性を高めているのかもしれない。


電源は5-12Vらしいのでとりあえず12V1AのACアダプタを付属の変換アダプタにつないで接続し、電源ボタンを押したら写ったー
ちゃんと解像度も2048×1536で映っているっぽい。DPIが推奨200%なぐらい文字が小さいけど結構きれいだ。


しばらくすると画面がちら付き始めた、どうやらLCDとコントローラの間の小基板が結構発熱するようで、小基板に扇風機の風を当てるとチラツキが収まった。
ここらへんはどうにかして放熱を考えないとなぁ
液晶の裏面に熱伝導シートとかで張っちゃってもいいのかなぁ

OSDも使えるんだけどバックライトの明るさは固定っぽい?バックライト基板を追ってもそんな感じするし。YB1518のFBピンあたりの回路にちょっと細工すれば輝度変えられそう。
スケーリングも項目があるんだけど設定しても反映されないので16:9のゲーム機とかつなぐと引き伸ばされてしまう。

9.7インチで2048×1536なHDMIとminiHDMI入力がついた液晶、結構小さくてこの解像度はすごい。DPI設定上げないと文字読みにくいけど。
今の所かかった費用は4742円なんだけど、あとはケースどうしようかな。
昔自作液晶を作ったときはダイソーの書類ケース使ったり、アルミアングル材を加工して作ってたりしたけど、ちょうどいいのがあればいいな。Aliexpressで専用のケースも3000円ぐらいで売ってるみたいだし。
ちなみにアンプも付いているのでスピーカーを繋げばHDMIからの音声を出力できる。
静電容量タッチパネルキットも25ドルぐらいで出てるっぽい。それ用のタッチパネル制御基板につなげる端子もついている。

長くなってしまったのでラズパイの設定は次回

 

0 件のコメント:

コメントを投稿