2024年2月24日土曜日

µStreamerをラズパイZero Wで動かしてみた。

 ラズパイZero WにUSBカメラを繋いでリアルタイムストリーミングをやってみた。前回BBBlueで試したときかなり低遅延でCPU負荷も軽かったし、mjpg-streamerは更新されていないっぽいのでuStreamerを使ってみる。

久しぶりにRaspberry Pi Zero Wを引っ張り出してきたらOSのアップデートが大変そうだったので新規インストールすることに。

Raspberry Pi Imagerを使ってRaspberry Pi OS Lite(32bit)のBookwormをインストール。あらかじめWiFi設定やSSHの有効化ができるので最近は便利だなぁ。

dtoverlay=sdtweak,overclock_50=100

とりあえずsudo nano /boot/firmware/config.txtでSDカードオーバクロックだけ追加した。

ustreamerはapt-getからもインストールできたりするんだけど、バージョンが古いらしくフォーラムとかを見ていてもビルドを推奨されてるようだったのでビルドしてみた。GPUアクセラレーションのM2Mとかを使う場合もビルドしたバージョンじゃないと対応してないみたいだし。

sudo apt-get install libevent-dev libjpeg62-turbo-dev libbsd-dev git
git clone --depth=1 https://github.com/pikvm/ustreamer
cd ustreamer
make
sudo make install

とりあえずこんな感じで5分ぐらいでビルドできた。

インストールが終わったらカメラを接続してテスト。このuStreamerだとカメラ側のハードウェアエンコーダーをそのまま使えたりするので、カメラの情報を確認する。

v4l2-ctl --list-formats-ext

このコマンドで今接続してるカメラの対応してるフォーマットと解像度が一覧で見れる。

Logicool C270を接続してみたんだけど、このカメラの場合はYUYVとMotion-JPEGに対応していた。ということでuStreamerでMotion-JPEGを使って配信してみる。

ustreamer -m MJPEG -f 30 -s 0.0.0.0 -p 8080

これで640x480の30fpsでストリーミングを開始できる。ブラウザからhttp://ラズパイのIP:8080にアクセスして/streamをクリックするとストリーミングを確認することができる。

画面にストップウォッチとストリーミング映像を並べて表示してカメラでストップウォッチを撮影してスクリーンショットするという手法で遅延を測ってみた。

WiFiルータにラズパイZero Wの内蔵無線LAN経由で接続して廊下を挟んで隣の部屋のルータにつながっているけど遅延0.16秒ぐらいでサクサク動く。

ラズパイZero WでもustreamerのCPU使用率は5%ぐらいでほぼ負担がかかっていない。UVCのkworkerも3%ぐらいだし。カメラのハードウェアエンコーダに頼っているのでラズパイZero W側ので処理はHTMLでデータを流すだけだし。

ちなみにHD解像度でも試してみた。

ustreamer -m MJPEG -f 30 -s 0.0.0.0 -p 8080 -r 1280x720

これで1280x720のワイドな解像度で配信できる。

遅延も相変わらず約0.16秒。ワイドだとより視野角が増えてロボットに乗せるのには良さそう。ちなみにこの遅延、前回試したところによるとカメラ側の性能にも左右されるのでもっと速いカメラもあるかも?手持ちの中ではLogicoolのC270とC310が一番良かった。(C310のほうが0.01~0.02秒ぐらい速いことも)

このぐらいの低遅延で映像が送れてCPU側の負担も少ないので動く系のロボットとかで使えそう。他の処理にCPUとメモリを割り当てられるし。帯域は解像度によるけど、あんまり多くない。音声が送れないのが少し残念な点かもしれない。


2024年2月4日日曜日

パルワールドの鯖をLinuxで立てて落ちたら自動で再起動。

 最近友人とパルワールドをプレイしてるんだけど、Linux鯖で鯖を立てていても地味に落ちていて自分がいないときにみんながプレイできなくなるパターンがあったので自動で再起動するようにしてみた。
ダンジョンに入った瞬間に落ちたりすることが多いかも。

パルワールドの鯖の建て方は公式に載っているので割愛するけど、SteamCMDをHomeディレクトリに入れておいて、Homeディレクトリ内のpalworldディレクトリから起動するようにしている。

./steamcmd.sh +force_install_dir palworld +login anonymous +app_update 2394010 validate +quit

鯖のインストールもアップグレードもとりあえずはこの1行で行っている。

設定ファイルはこの場合で言う、palworld直下のDefaultPalWorldSettings.iniにデフォルトの設定が保存されるので、このファイルの中身をコピーして、./Pal/Saved/Config/LinuxServer/PalWorldSettings.iniの中身に貼り付けて必要な設定を変更する。とりあえずServerNameとServerPasswordだけ変更した。

そんでもってPalServer.shを起動すれば鯖が立ち上がるんだけど、4人ぐらいでプレイしていても2時間置きぐらいにセグったりして落ちているので、自分が先に寝たりすると友人が入れなかったりで(地味に夜通しでやってるやつも居るし)ということで対策してみた。

まえにどこかで見た手法何だけど、とりあえずいちばん簡単なシェルスクリプトでwhileを使って実装してみた。

#!/bin/bash
cd palworld
count=0
start_time=$(date +%s)
while :
do
  ./PalServer.sh
  echo "Server Down"
  end_time=$(date +%s)
  run_time=$(((end_time - start_time) / 60))
  count=$(expr $count + 1)
  echo $count
  echo $run_time
  sleep 10s
done

とりあえずこんな感じでhomeディレクトリにpal.shとかで保存して実行権限を与えれてScreenで実行してる。落ちた回数と稼働時間もコメントするようにしてあるけど、実際はwhileの中でPalServer.shを呼んでいるだけ。落ちると10秒待って何度でも実行される。

一応こんな感じで簡単に実装したんだけど今のところちゃんと動いてる。1日に5回ぐらい落ちてるけど…。

アップグレードが来たら自動で更新できるようにしたいなぁ

2024年2月3日土曜日

candleLightファームウェアをWindowsでビルドしてみた。

 candleLightはSTM32F0シリーズのUSB2CANとかで使えるファームウェアなんだけど、STM32G431とかでも使えるように改良してる人がいたのでWindowsでビルドしてみた。

Windows側で必要なのはcmakeとmingw64(makeに使用)とgcc-arm-none-eabi-8-2019-q3-update-win32-sha2.exeだった。

とりあえずこれらをインストールして、gcc-arm-none-eabi-8-2019-q3-update-win32-sha2.exe以外は環境変数に入れて呼び出せるようにしておく。

pgreenlandさんのcandleLightブランチをとりあえずZipでダウンロードして展開。

cmakeフォルダの中のgcc-arm-none-eabi-8-2019-q3-update.cmakeをWindows用に少し変更

set(TOOLCHAIN gcc-arm-none-eabi-8-2019-q3-update)
set(CMAKE_MAKE_PROGRAM "C:/mingw64/bin/mingw32-make.exe")

set(TOOLCHAIN_BIN_DIR "C:/Program Files (x86)/GNU Tools ARM Embedded/8 2019-q3-update/bin")

set(CMAKE_SYSTEM_NAME Generic)
set(CMAKE_SYSTEM_PROCESSOR arm)

set(CMAKE_C_COMPILER "${TOOLCHAIN_BIN_DIR}/arm-none-eabi-gcc.exe" CACHE INTERNAL "")
set(CMAKE_CXX_COMPILER "${TOOLCHAIN_BIN_DIR}/arm-none-eabi-g++.exe" CACHE INTERNAL "")

set(CMAKE_EXE_LINKER_FLAGS "" CACHE INTERNAL "")

set(CMAKE_FIND_ROOT_PATH_MODE_PROGRAM NEVER)
set(CMAKE_FIND_ROOT_PATH_MODE_LIBRARY ONLY)
set(CMAKE_FIND_ROOT_PATH_MODE_INCLUDE ONLY)
set(CMAKE_FIND_ROOT_PATH_MODE_PACKAGE ONLY)

SET (CMAKE_C_COMPILER_WORKS 1)
SET (CMAKE_CXX_COMPILER_WORKS 1)

コマンドプロンプトでCMakeLists.txtがあるディレクトリに移動して

mkdir build
cd build
cmake .. -DCMAKE_TOOLCHAIN_FILE=../cmake/gcc-arm-none-eabi-8-2019-q3-update.cmake -G "MinGW Makefiles"
make

こんな感じでビルドできた。WindowsでのポイントはcmakeがnmakeでVisualStudioの環境を作ってしまうようなデフォルト設定になっているので、-G "MinGW Makefiles"をつけるところ。一旦このオプションをつけないで実行してしまうとエラーが出てしまうのでbuildフォルダを削除してやり直し。一番ココでハマった…

というわけでCANable2_MKS_fw.binってのがSTM32G431用のバイナリファイル。しかもこれ、CANable2の公式ファームウェアではCAN FD対応していないらしいけどこっちは対応してるっぽい。

Windows上だとCangarooで使う場合はデフォルトでインストールされるWINUSBドライバでいいけども、Python-CANとかでgs_usbを使う場合はZadigとかでlibusbKに変更する必要がある。その時は(Interface0)が付いてる方だけど変更すること。(OptionのList All Deviceを有効にしないと出ないかも)

ファームウェアを書き込むときは前はdfu-utilでやっていたけど、ブラウザから書き込みができるWebUSB DFUを使うと便利かも。Vender IDは0x0483。