2019年6月29日土曜日

ESP32で回転計を作ってみた。

最近モータをいじったりしていると回転計が欲しくなってしまったので、反射型の光センサが安く売っていたのでESP32で回転計を作ってみた。
ドローンやっていた頃からあったほうが便利かなぁと思っていたんだけどそこまで必要性を感じていなかったので結局買ってなかった…

今回はライントレースとかに使われている反射式の光センサをESP32に入力して回転数を計算させてみた。光センサモジュール自体にはコンパレータが内蔵されている(D0出力)のでモータに白とか黒とか反射率が異なるテープを張ってコンパレータの可変抵抗を調整して一回転に一回HIGHが出るように調整する。

ソフトの方はESP32のArduino Coreを使用してGPIO割り込みで回転数計算を行ってみた。光センサモジュールのデジタル出力をESP32のGPIOに入力して、割り込み時の時間を使って回転数を計算する方式にしてみた。パルスをカウントするより応答性高くて高精度なんじゃないかなと。

#define PLS 22 //入力Pin設定

#define aveNum 20
#define filtNum 5
unsigned long lastPulse = 0;
uint16_t aveRPM[aveNum];
uint8_t aveCnt = 0;
uint8_t aveDone = 0;

void IRAM_ATTR pulse() {
  unsigned long currTime = micros();
  static unsigned long fixedTime;
  for (int i = 0; i <= filtNum; i++) {
    delayMicroseconds(10);
    if (digitalRead(PLS) != HIGH)
    {
      return;
    }
  }
  lastPulse = fixedTime;
  fixedTime = currTime;

  float rawRPM = 60000000.00 / (fixedTime - lastPulse);
  aveRPM[aveCnt] = (uint16_t)(rawRPM + 0.5);
  aveCnt++;
  if (aveCnt > aveNum) {
    aveCnt = 0;
    aveDone = 1;
  }
}

uint16_t getRPM() {
  if (lastPulse + 2000000 <= micros())  {
    aveCnt = 0;
    for (int i = 0; i < aveNum; i++) {
      aveRPM[i] = 0;
    }
    aveDone = 0;
    return 0;
  } else {
    float average = 0;
    switch (aveDone) {
      case 0:
        for (int i = 0; i < aveCnt; i++) {
          average += aveRPM[i];
        }
        average = average / (float)aveCnt;
        break;
      case 1:
        for (int i = 0; i < aveNum; i++) {
          average += aveRPM[i];
        }
        average = average / (float)aveNum;
        break;
    }
    return (uint16_t)(average + 0.5);
  }
}

void setup() {
  pinMode(PLS, INPUT);
  attachInterrupt(PLS, pulse, RISING);//入力ピン割り込み設定
  Serial.begin(115200);
}

void loop() {
  static unsigned long lastRun = 0;
  if (lastRun + 200 <= millis())//200msごとにRPMをシリアルコンソールに表示
  {
    lastRun = millis();//次回実行のために値更新
    Serial.println(getRPM());
  }
}

ちょっとしたノイズが入っても回転数が乱れるのでノイズ対策として割り込みの中でノイズ対策として何回か入力Pinの状態を確認するようにしてみた。割り込みの中でdelayMicroseconds使ってるけど一応動いてるからよし…
これでだいぶノイズが少なくなった。センサとか測定対象に合わせて確認回数(filtNum)とかdelayMicrosecondsを変更してみるともっと安定するかも。あんまりdelayを大きくすると割り込み処理が終わらなくなってESP32がリセットしてしまう。

あとは回転数の移動平均を取るようにしたので回転数を読みやすくなった。センサが悪いのかモータが悪いのかわからないけど結構バラバラ動いて見にくかったので。

とりあえずこれでArduinoのシリアルコンソールとかシリアルプロッタで回転数が見れるようになったので気軽にモータの回転数が測れる。LCDとかつけてスタンドアロンにしても便利かも。

センサも今回は光学式を使ったけど、ホールセンサとかエンコーダとかパルスが発生できれば何でも良さそう。低速回転なら1回転に多数のパルスが出るエンコーダとかのほうが精度良く測れるかも。

2019年6月22日土曜日

ESP32-CAM単体でWifi設定できるようにしてみた

前回技適対応にしたESP32-CAMですが、サンプルスケッチそのままだとSSIDとパスワードを変更するたびに書き換えなかったりしないといけなかったり少し不便なのでWiFiマネージャーを使用して少し便利にしてみた。

まずWiFiマネージャーっていうのはESP-WROOM-32などのWifi搭載マイコンで家のWifiに接続する際にSSIDとパスワードをスマホなどから設定できるようにできるライブラリ。仕組み的にはステーションモードで接続できなかった場合は自分自身がAPモードで立ち上がってWebサーバを立て、そこにスマホなどでWifi接続してSSIDとパスワードを設定できる。一旦設定すればあとは自動で家のWifiに接続してくれるようになる。接続できなくなると自動的にAPモードで立ち上がってまた設定できるようになるというすぐれもの。

ライブラリ自体は何種類かあるようだけど今回はAsyncに対応しているESPAsyncWiFiManagerを使用させてもらった。このライブラリを動作させるために必要なライブラリもあるので3つ入れる必要があった。

ESPAsyncWiFiManager
ESPAsyncWebServer
AsyncTCP

そんでもってCameraWebServerサンプルをベースに変更を加えていく。
ついでにmDNSにも対応してみた。
主に変更するのはスケッチの上の方なので変更する付近のみ紹介。(コピペする場合はサンプルを開いて相当する箇所に変更箇所のみ上書きしないと動かない)

#include "esp_camera.h"
#include <WiFi.h>
#include <ESPmDNS.h>//追加
#include <ESPAsyncWebServer.h>//追加
#include <ESPAsyncWiFiManager.h>//追加
AsyncWebServer server(80);//追加
DNSServer dns;//追加

//
// WARNING!!! PSRAM IC required for UXGA resolution and high JPEG quality
//            Ensure ESP32 Wrover Module or other board with PSRAM is selected
//            Partial images will be transmitted if image exceeds buffer size
//

// Select camera model
//#define CAMERA_MODEL_WROVER_KIT // Has PSRAM  //コメントアウト
//#define CAMERA_MODEL_ESP_EYE // Has PSRAM
//#define CAMERA_MODEL_M5STACK_PSRAM // Has PSRAM
//#define CAMERA_MODEL_M5STACK_V2_PSRAM // M5Camera version B Has PSRAM
//#define CAMERA_MODEL_M5STACK_WIDE // Has PSRAM
//#define CAMERA_MODEL_M5STACK_ESP32CAM // No PSRAM
#define CAMERA_MODEL_AI_THINKER // Has PSRAM //コメント外す
//#define CAMERA_MODEL_TTGO_T_JOURNAL // No PSRAM

#include "camera_pins.h"

//const char* ssid = "*********"; //コメントアウト
//const char* password = "*********"; //コメントアウト

void startCameraServer();

void setup() {
  Serial.begin(115200);
  Serial.setDebugOutput(true);
  Serial.println();

  AsyncWiFiManager wifiManager(&server,&dns);//追加
  wifiManager.autoConnect("ESP32-CAM");//追加

中途半端なところで切ってるけど上の方はこんな感じで編集。
あとは下の方でWiFi.begin(ssid, password);してるところを変更。

  //WiFi.begin(ssid, password);//コメントアウト
  WiFi.begin();//追加
  while (WiFi.status() != WL_CONNECTED) {
    delay(500);
    Serial.print(".");
  }
  MDNS.begin("cam");//追加

これで完成。

あとはこれを書き込むとWiFiの設定がされていない場合はESP32-CAMというWifiネットワークが作成されるのでそれにスマホからアクセスして、http://192.168.4.1を開いて設定すればOK。ライブラリにはCaptive Portal機能も埋め込まれているのでiPhoneなどの対応機種であればAPに接続して少しすると自動で設定画面が開くはず。あとはSSIDとパスワードを設定画面から設定すれば完了である。

あとは家のWifiに接続されてからはmDNSが動くのでhttp://cam.localにアクセスすればmDNS対応(Windows 10やiOS)であればIPアドレスを調べる必要がないので便利。Androidの場合は.Local FinderとかでmDNSからIPアドレスを調べられるので便利かも?
エラーコード500が出る場合はESP32-CAMを一旦再起動すると良さそう…多分これはESPAsyncWiFiManagerのバグ?で初回設定時にポートが閉じられていなさそう。

とりあえずこのレベルでも結構使いやすくなったのであとはUPnPとかでポートも自動で開けられたりDDNSに自動で登録できるようにすれば完璧かな…

ちなみにESP-WROOM-32内に保存されたSSIDとパスワードを消去するときはsetup直下とかで一旦以下の2行を実行すれば良いらしい。(デバッグとかでよく使った…

WiFi.mode(WIFI_STA);
WiFi.disconnect(true,true);

一旦WiFiマネージャーで設定完了してしまうと勝手につながってWiFiマネージャーのテストができなくなってしまったときに多用した…

そういや小さいケースが欲しかったけどタカチとかのケースで基板ピッタリのサイズが無かったので設計してみた。電源はmicroUSBから取れるようにしてみた。

ESP32-CAM ケース
ケースに入れることによってハンドリングがしやすくなった反面、ファームの書き換えが面倒に。一応折れないギリギリでスナップフィットにしてみたのでかなり小型化できたと思う。
micro USBの穴とmicroSDの穴が開いてる。結構ぎりぎり突っ込んだのでmicro USB基板はESP-WROOM-32のシールドの上に乗ってる感じ。カプトンテープで一応絶縁しておいたけど。

2019年6月15日土曜日

ESP32-CAMを技適対応にしてみた

ESP-32SとOmnivisionのOV2640が一つのPCBに乗っていてかなりお安いモジュールが合ったので買ってみた。その名もESP32-CAM。PSRAMとしてIPUS IPS6404も搭載されているっぽい。
ピンヘッダもはんだ付け済みでカメラを繋いでファームウェアを書き込めば動く感じ。
Aliexpressで6.99ドルだった(送料込み)
ただし、開発ボードみたいにUSBシリアル変換アダプタが内蔵されていないので別途必要。

ESP-32Sが乗っているが、Ai-Thinkerのではなさそう?
この手のIPEX端子がついてるESP32-Sって書いてあるモジュールってロゴ違いで何種類かあるのかな?
残念なことにこのモジュールは技適マークが付いていないっぽい。ピン配置はESP-WROOM-32と同じ。

ということで早速解体。
ピンヘッダも5V入力側IOはmicroSDカードにつながってるのと共通だし、反対側はデバッグと書き込みにしか使わなそうなので外してしまった。ケースに収めるとき邪魔だし。
部品が飛んでいかないようにカプトンテープでマスキングしてヒートガンの細ノズルを使っていい感じに温めて剥がす!
マキタの温調付きのヒートガンで風量と温度最大でちょうどよいぐらい。

そんでもって手持ちのESP-WROOM-32を取り付けてみた。これも使わなくなったESP-WROOM-32をピッチ変換基板からヒートガンで剥がしたんだけどね!
ちなみに剥がしたあとは吸い取り線できれいに掃除してから隙間ができないように取り付けた。
これで技適対応のESP32-CAMあらため、ESP-WROOM-32-CAMが完成した。
ピン配置同じなのでプログラムは同じものが動くはず。
外部アンテナが使いたい場合はESP32-WROOM-32Uをつければ良さそう。
ちなみに取り付けたのはRevision1でした。取り外したやつは不明…

カメラ側には白色LEDがついててこれはGPIO4で駆動用のFETらしきものを介して制御できるようになっている。HIGHで光るんだけど超眩しい。PWMで調光したほうが良さそう。
反対側にはGPIO33にLED1とシルクで書かれている赤色LEDがついていた。これはLOWで光る。

とりあえずArduinoでESP32のCAMERAのサンプルにESP Asynk WiFi Managerを組み込んでテストしてみた。
LED1はWiFi ManagerのステータスLEDとしてプログラムしてみた。
あとはフラッシュを使えるようにプログラムを修正すれば良さそう。

ちなみにVCCはデフォルトでは3.3Vにつながってるっぽいので、もしVCCから電源を供給したい場合はジャンパー抵抗を交換しないと行けないので注意。まぁ5Vか3.3Vって書いてあるところに電源を繋げばいい話なんだけれども。


最後にシルクの向きで縦置きかと思ったんだけど実際はこの向きなのね
SVGAで1時間ぐらい放置してみたけど問題なさそう。このぐらいの解像度だと10FPSぐらい出る。そしてESP-WROOM-32がめっちゃ熱くなる
安定化電源で3.3V入れてると表示が170mAぐらいだしな…

今回使用したスケッチは長くなりそうなのでもう少し編集してから次回紹介したいと思います。
Arduinoで開発する場合はライブラリや情報も豊富なので、FTPとかクラウドに一定間隔で画像をアップロードするWebサイト埋め込みのライブカメラ的なやつとかも簡単に作れそう。もはやPCいらずで単体マイコンでできる時代とは…

2019年6月8日土曜日

ESP32のBluetoothでSPPを使ってみた

ESP-WROOM-32にはBluetoothも搭載されているけれど、実はBluetooth Classicにも対応しているみたいなので、SPPでHC-05やRN42みたいにBluetoothシリアル変換アダプタとして使ってみた。

とりあえずArduino core for the ESP32のサンプルプログラムとしてBluetoothSerial→SerialToSerialBTで事足りるんだけど、RN42みたいにPCから未接続時はLED点滅で接続後に点灯みたいなインジケータを追加してみた。
あとは開発ボードのデフォルトのシリアルポートはUSBシリアル変換ICに直結されていて起動時に情報などが流れてきてしまうので別なポートをシリアルポートとして設定してみた。

#include "BluetoothSerial.h"
#include "Ticker.h"

#if !defined(CONFIG_BT_ENABLED) || !defined(CONFIG_BLUEDROID_ENABLED)
#error Bluetooth is not enabled! Please run `make menuconfig` to and enable it
#endif

BluetoothSerial SerialBT;

Ticker ticker;

#define BUILTIN_LED 2

void setup() {
  //インジケータ用LEDピンの設定
  pinMode(BUILTIN_LED, OUTPUT);
  //BluetoothのMACアドレス取得
  uint8_t macBT[6];
  esp_read_mac(macBT, ESP_MAC_BT);
  //BluetoothのMACアドレスの下4桁を使用して固有のデバイス名作成
  char btname[11];
  sprintf(btname,"ESP32-%02X%02X",macBT[4],macBT[5]);
  //Bluetoothのcallback関数設定
  SerialBT.register_callback(callbackBT);
  //先ほど作成したデバイス名でBluetooth開始
  if(SerialBT.begin(btname)){
    //Bluetoothが開始できたらLED点滅開始(接続待ち)
    ticker.attach(0.5, ledBlink);
  }
  //Serial2(RX=GPIO16,TX=GPIO17)を開始
  Serial2.begin(115200);
}

void loop() {
  if (Serial2.available()) {
    SerialBT.write(Serial2.read());
  }
  if (SerialBT.available()) {
    Serial2.write(SerialBT.read());
  }
}

void callbackBT(esp_spp_cb_event_t event, esp_spp_cb_param_t *param) {
  if (event == ESP_SPP_SRV_OPEN_EVT) {
    //接続後LEDを点滅→点灯
    ticker.detach();
    digitalWrite(BUILTIN_LED,HIGH);
  }else if (event == ESP_SPP_CLOSE_EVT) {
    //切断後LEDを点滅させる
    ticker.attach(0.5, ledBlink);
  }
}

void ledBlink() {
  volatile static int led = HIGH;
  digitalWrite(BUILTIN_LED, led);
  led = !led;
}

Bluetooth SPP用にBluetoothSerial.hと、LED点滅用にTicker.hを使用した。
デバイス名はRN42みたいにBluetoothのMACアドレスの下4桁を使用してデバイス固有のデバイス名にするようにしてみた。
LEDの方はBluetooth接続待ちになったらTickerで点滅させて、PC等にペアリングしてSPPの仮想COMポートをオープンするとLEDが点灯する感じ。切断すると点滅に戻る。
ここらへんもRN42ライクにしてみた。


Bluetoothデバイスを検索するとこんな感じに表示される。
あとはBluetoothとその他のデバイスからその他のBluetoothオプションを開くとどのCOMポートに繋がっているかがわかる。

例によってWindowsではSPPはなぜか仮想COMポートが2ポートできるんだけど、名前にESP32SPPがついてるほうが通信できるポート。この場合はCOM5なのでCOM3は削除しても問題なかった。

こんなに単純なプログラムなのにシリアルデバイスとは問題なく通信できてる。
RS-232CからBluetooth変換とか結構高級品だけど、これを使えばかなりお安く作れるんじゃないだろうか?RN42より安いし。ついでにESP32はWiFi搭載なので将来的にソフトウェア変更でWiFiシリアル変換にもできたり…

ちなみに例によってシリアルデバイス側のボーレートとESP32に書き込んだSerial2のボーレートは合わせておかないと通信できない。Bluetooth SPPは仮想COMポートのボーレート設定ではデバイス側のボーレートまでは変更できない仕様っぽいので…
なのであとはRN42みたいにコマンドモードでボーレートとかIOをいじれたら便利そうだなぁ
Bluetooth SPPとBLEは同時に使用できる。ただしデバイス名が一緒になってしまう…
ESP-WROOM-32はRN42より安いのにいろいろ盛りだくさんだなぁ。

RN42と違ってESP32は5Vトレラントじゃないので5Vで駆動しているマイコンとかに接続するときはi2c用とかのレベルコンバータ使ったほうがいいかも。