2019年5月25日土曜日

BTS7960モータドライバを改造してみた。

とりあえずPWMで制御できたBTS7960だけど、電流検出機能がせっかくついているので使いやすいように改造してみた。 ついでにEN端子もまとめて更に使いやすくしてみた。
(Hブリッジとして使うならあんまり分かれている意味ないし…)

というのもこのBTS7960モータドライバ基板、電流検出のISピンが2つのICから別々に出ている。この端子はハイサイドの電流しか測れないのでこのままだと正転と逆転で別々のピンから電流をセンシングする必要がある。データシートのサンプルではHブリッジとして使う際にこのピンをまとめてしまっているのでまとめてしまう改造をしてみることにした。漏れ電流はほぼ無視できるだろうし回路的には問題なさそう。
ついでに抵抗値が高すぎるので1kΩに変更した。全部の抵抗が10kΩだったんだけど全部はずして交換してしまった。

PWMのプルダウンは100kΩ、ENはどっちもまとめてしまってから5.1kΩでプルダウン、電流検知抵抗もどっちもまとめてから1kΩプルダウン、Slew Rate設定は5.1kΩに変更した。
基本的にデータシートのHブリッジ参考回路と同じ配線で、ISとENをまとめた感じ。抵抗値は適宜変更した。ISは1kΩにしたことによって、1Aあたり120mVぐらいになったはず。

実際にモータを正転、逆転してみてISをモニタリングしてみると、テスターだと結構振れている。PWMで制御すると電流波形もそうなってしまうのでローパスフィルタが必要そう。フォーラムを覗くと10kΩと1uFで良さそうな感じ。でもこれはPWMの周波数によって変える必要がありそう。

そんでもってこのISピン、データシートからも分かる通りばらつきがすごい。正転と逆転でLとRのBTS7960の電流測定値が切り替わるわけなんだけど、同じぐらいの電流が流れているはずなのに結構値が違う。これはまとめたのが原因ではなくてセパレートしても同じ感じだった。これフィードバックに使えるのかな…
INA219とかACS724みたいな外付けの電流センサつけたほうが良さそうな気も…

EN端子はとりあえずまとめてしまっても使い勝手は問題なさそう。ENをずっとHighにしているとFast Decayってことなんだろうけど、結構いい感じに制御できる。Slow Decayを使うときはバラバラのほうが使い勝手が良いとかで分けてんのかなぁ…とりあえずまとめた状態でPWMぶっこんでもSlow Decay使えそうだけど。

まずはどのArduino対応ボードで試そうかな。UnoだとISの抵抗もう少し高いほうがいいかもしれないし、ESP32だとADCの美味しいところが難しそうな印象だし。Bluepillあたり良いのかもしれないなぁ

2019年5月18日土曜日

ESP32とBTS7960でモータを回してみた

前回はBTS7960の動作確認と熱対策をして、仕様を調べるところまでで終わってしまったので、今回はArduinoからPWMを出してモータを回してみた。
ArduinoのボードとしてはESP32搭載ボードを使用してみることに。これならPWMの周波数も高くできるし。Arduino UNOでも分周比を変えれば周波数を高められるんだけどちょうどほしいところができなさそう。BTS7960が25kHzまでだったので、20kHzぐらいで使いたいし。

とりあえずシリアルコンソールからコマンドを打ってPWMのDutyを変更できるようにしてみた。ESP32でPWMを使う場合はanalogWriteではなくてledcWriteを使うんだけど、これだとベース周波数も変更できるし、解像度も8ビット以外が使えるので便利。
周波数は20kHz、解像度は10bit(0~1023)にしてみた。
//ピンアサイン
#define EN 19
#define LPWM 22
#define RPWM 23

void setup() {
  //PWMタイマ設定
  ledcSetup(0, 20000, 10); //ch0,20kHz,10bit
  ledcSetup(1, 20000, 10); //ch1,20kHz,10bit

  //PWMタイマに出力PIN関連付け
  ledcAttachPin(LPWM, 0);
  ledcAttachPin(RPWM, 1);

  //ENピン初期化
  pinMode(EN, OUTPUT);

  //Serial初期化
  Serial.begin(115200);
}

void loop() {
  if (Serial.available() > 0) { // check serial
    char in = Serial.read();
    if (in == 'k') {
      digitalWrite(EN, LOW);
      Serial.println("Stop Motor");
    }else if(in == 'p'){
      int input = Serial.parseInt();
      Serial.println(input);
      Serial.println("PWM control");
      setMotor(input);
    }
  }
}

void setMotor(int pwm) {
  if (pwm == 0) { //ブレーキ
    digitalWrite(EN, HIGH);
    ledcWrite(0, 1023);
    ledcWrite(1, 1023);
  } else if (pwm > 0 && pwm <= 1023) {
    digitalWrite(EN, HIGH);
    ledcWrite(0, pwm);
    ledcWrite(1, 0);
  } else if (pwm < 0 && pwm >= -1023) {
    digitalWrite(EN, HIGH);
    ledcWrite(0, 0);
    ledcWrite(1, abs(pwm));
  }
}

ESP32とは19にL_ENとR_ENをどっちも接続し、22にLPWM、23にRPWM、VCCに3.3V、GNDにGNDを繋ぐ。今回はまだ電流フィードバックを試せる状態にしていないのでISはどっちも繋がなくてオッケー。(ISの抵抗変えないと危ないし、ローパスフィルタとか入れないといけないかも。)

サンプルプログラムを書き込んだらシリアルコンソールからbaudrate 115200で
p512とかp-512って打つとモータが回るはず。kを送信するとスタンバイモードになって、p0とかにすればブレーキが掛かるはず。ブレーキはオン抵抗が小さいハイサイドにしてみた。

ESP32は何も考えなくてもPWMの周波数をいい感じに設定できるから便利だなぁ
ただしちょっとADが使いにくそうな感じがする。バッテリモニタとかにならいいけど、下の方と上の方の精度が悪そう。

まぁ何にせよフィードバックなしでは簡単にモータが回せるのでBlynkとかと併用すればWiFiとかBluetoothのラジコンが簡単に作れちゃうな。

2019年5月12日日曜日

BTS7960モータドライバが届いた

540モータを回すにはL298Nあたりだと電流が足りないのでAliexpressでモータドライバを探していたところ、BTS7960を使ったモータドライバがお安くて良い感じだったのでポチってみた。5ドルちょいだった。

BTS7960自体はInfenionのNovalithICシリーズで、ワンチップのハーフブリッジらしい。これを2つ使えばフルブリッジとして使えるということで、このボードにはBTS7960Bが2つとSL74HC244D(3ステートバッファ)が乗っていた。抵抗は全部10kΩだった。
InfenionのHexFETシリーズとかもオン抵抗が低かったりしてモータドライバならInfenion強そうなイメージが。

基板はさすが5ドル品、リワーク品なのかICのハンダが手半田の雰囲気。ロジックICはリフローっぽいんだけれども。さすが43A流せるだけあってヒートシンクもでかい。

基板のサイズは50mmx50mmぐらい、穴ピッチは40mmx40mmなんだけど、結構際どいところにパターンが通ってるのでネジ止めするときは気をつけないと行けないかも。
樹脂ワッシャーを挟んで止めるとかしたほうが安全かも。

とりあえず動作確認。
VCCとL_ENとR_ENに5Vを入れて、L_PWMに5Vを入れてみるとモータが回った。R_PWMに5Vを入れてみるとちゃんと逆転したので行けそう。(Duty100%相当)
電圧は7Vぐらいから動きそう。データシート的にはフルブリッジで使うならピーク36Aぐらいまで使えるっぽい?Attiny85ぐらいのマイコンと組み合わせれば安価で30Aぐらいのラジコン用ESCが作れちゃうかも。

まずは回ることが確認できたので一件落着。リワーク品っぽい見た目だったので不安だったけど。
ためしにねじ2本で止まっているヒートシンクを剥がしてみると基板直付けだった…
これじゃこんなにでかいヒートシンクつけてる意味無いんじゃないかな…

とりあえずパーツクリーナーでフラックスをきれいにしてから絶縁タイプのCPUグリスを塗って見た。レジストはちゃんとした絶縁じゃないし、ヒートシンクの塗装も絶縁とはいえないような気がするので本当はサーマルパッドとかのほうがいいんだろうけど手持ちがなかったのでとりあえずこれで。一応テスターで測って抵抗値が出ないことは確認した。
あとで熱伝導シート買って交換しよ…

BTS7960のデータシートを見るとApplication Exampleのフルブリッジとして使うパターンの図では、INH(EN)とIS(電流検出)ピンが左右で接続されているが、このボードではL_ENとR_ENのようにバラバラにピンヘッダに出ているっぽい。
このあたりはデータシートのサンプルのように共通化してしまったほうが使い勝手が良さそう。

せっかく電流検出付いてるので電流フィードバックや電流リミット用に電流検出部を改造したいな。電流検出のISが正転と逆転で別のピンに出てしまうとADが2つ必要なので面倒だし。データシートのサンプル回路ではISをLとRで共通化してある。これは電流検知がハイサイド側にしかついていないので正転と逆転時はどちらかのISピンからしか電流が流れない(僅かなリーク電流を除く)ということらしい。FETのリーク電流は電流の測定オーダからするととても小さいから多分無視できるのだろうけど。
何にせよ電流検出の抵抗が10kΩは大きすぎる。ちなみにデータシートでよく出てくる1kΩにした場合は120mV/A。例えば最大20Aとして3.3V系のマイコンに接続するなら1.4kΩぐらいとか。ダイオードのクランプ回路とかツェナーを入れたほうがいいかもしれない…
電流測定っていうよりは電流フィードバック用なのかな。ISピンとハイサイドの電流比の範囲結構でかいし。

L_ENとR_ENも同様にデータシートのサンプル回路みたいに単純に同じピンで制御しちゃって良さそう。そうすると一般的なモータドライブICみたいにEN、IN1、IN2の3ピンで制御できちゃうし。このボードでわざわざISとENが分かれているのは単方向で2モータを使うときのためかな?今回はHブリッジとして使うので共通化してしまっても良さそう。

このモータドライバ、探していると何種類かバージョンがありそう。Arduinoのロゴが違ったり、ネジ穴のところの銅箔の逃しとか細かいところに違いがある感じがする。
あと抵抗値もプルダウンの抵抗値が30kのと10kのがあったり。コピー品なのかな。
ちなみにBTS7960はもうディスコンらしい…
新しいICが出ていて、IFX007Tだと40Vまで対応するっぽい。ピンコンパチでそのまま使えそう。

ISピン用に抵抗と、ローパスフィルタ用の部品でも手配しておこうかな。まずはPI制御で電流フィードバック試してみたい。
次回はArduinoでとりあえずPWMでモータを回せるようにしてみる。

2019年5月7日火曜日

Mini DisplayPort→HDMI2.0変換アダプタを買ってみた

MacBook Proで4Kディスプレイを使うために変換アダプタを買ってみた。
というのも現在所有しているMBPはLate 2013と結構古いのでHDMIも2.0に対応していなければ、miniDPなThunderbolt2ポートが2ポートあるのみ。
ディスプレイ側は標準サイズのDPがあるのだけれども、どうせケーブル買わないといけないのでデスクトップマシンと切り替えられるようにHDMI2.0で接続してみることに。


ちなみに一応HDMIポートはHDMI2.0に対応していないけれども4K30Hzであれば表示可能っぽい。

さてと変換アダプタの方だけれども、miniDPからHDMIに変換するにはパッシブタイプとアクティブタイプの変換アダプタがある。
パッシブタイプはデュアルモードDisplayPortとしてのDVIもしくはHDMIの信号を物理的に変換するので、HDMI1.4相当になってしまう模様。アクティブタイプはディスプレイポートからの信号を変換処理をしてHDMIにするので、アダプタがHDMI2.0に対応しているICを使っていればDPの出力と同じく4K60Hzが出力可能。

つまりアクティブタイプは高い。
でも見た目がほぼ同じなので気をつけなければいけなさそう。

ということでアクティブタイプをうたっていて4K60Hz対応って書いてあるものを購入してみた。Amazonで999円だった。
Aliexpressとかでも同じものが売っていたがむしろAmazon(しかも当日発送)のほうが安かったという…

いかにも4K60Hz出ますよと言わんばかりの外見。


接続は簡単、MBPのminiDPにこの変換アダプタをつないで、この変換アダプタとディスプレイ間をHDMI2.0ケーブルで繋げば良い。ちゃんとここもHDMI2.0ケーブルを使わないとうまく映らないこともあるらしい。同じ形状だけどスピードが早くなっているからなのかな?

しかしなぜかMBPで60Hzで認識されない。

どうやらOSバージョンなどによってはDPからHDMIに変換するときに30Hz制限がかかる場合がある模様。
その場合、SwitchResXのようなツールを使って強制的に変更してやらないといけないらしい。
ということでSwitchResXの体験版を入れてみた。

ツール側からは認識するっぽいので試しに設定してみた。

するとちゃんと60Hzでも認識される!
多少面倒だけど一応60Hzで使用することができた。
フリーウェアとかでないかなぁ…